納豆が食べたい

映画とかアメコミとかゲームとかの感想をダラダラ書く

映画の話でも

お久しぶりです。前回の記事を書いてから今日で約1ヶ月が経過してしまいました。観た映画や読んだコミックについて書こう書こうと思っていたら、はてな運営から「お前1ヶ月も更新してないからそろそろ更新しろや」的な内容のメールが送られてきてしまったのでようやく重い腰を上げた次第です。

で、肝心の内容なんですがみなさん「ひるね姫」ご存知でしょうか。

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「え、お前こんなリア充が観るような映画観るの?」って思った方が大半だと思いますが黙って聞いてください。

先日偶々この映画の試写会に行く機会がありまして、フォロワーさんを伴って観に行ってきました。正直試写会のチケットを貰った瞬間に「「君の名は」臭が凄い」と思ってしまい全く行く気がなかったのですが、監督が攻殻機動隊の方だったらしく折角だからと行くことにしました。

肝心の感想ですが、ぶっちゃけ宣伝の仕方間違えてる映画だなと。これパシフィック・リムです。途中にトランスフォーマーの如き変形を駆使して登場するキャラも出てくるし、なにより「お前絶対「私はベイマックス、あなたの健康を守ります。」とか言ってくるだろ」と思わざるを得ないビジュアルのキャラクターも出てくるわで面白かったです。あまり深く書くとネタバレになってしまうので書けませんが、予告やポスター間に受けて観に行くと面食らうタイプの映画。そのおかげか公開5日前にも関わらず、レビューサイトで☆3.1の評価を付けられてました。ちなみにアメコミ界に波乱を巻き起こし、ラジー賞を見事受賞した某ジャスティスの誕生が☆3.2ということから考えて結構なことではないでしょうか。

 

試写会の会場にも年齢差こそあれど女性客が大半であり、我々のように本編よりもキングコングの予告で盛り上がるような男性客はあまり見られなかったので多分前述したように、「予告やポスターから某大作映画をイメージして観に来たら途中からパシフィック・リムを観せられた」という感じだったのでは。自分の隣の席には小学校低学年くらいの女の子が座っていたのですが、終始暇そうにしてましたし。

 

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 イメージ(左)、実際(右)

 

正直夢要素いるか?とか後半が微妙に理解しづらかったなとかぼちぼち思いつつも映画としては面白かったです。主人公の声を担当してるのはタレントさんらしいのですが、そこまで酷くはなかったかな?ってところ。タレント吹き替えだから観る気が失せるなーとか思ってる方にも是非パシリム要素を味わってほしいところです。僕は恥ずかしながら攻殻機動隊を観ようとしていきなり最終作を借りてきてしまうくらい神山監督について無知なのですが、同行した方によれば「いつもの神山監督と言えば伝わる」そうです。

ここまで書いてさらに1週間放ったらかしてました。もう公開始まってるみたいですが、是非劇場でご覧になってくださいな。

 

ダメ男とポンコツロボの親和性は異常

最近、と言っても去年だから半年以上前になってしまうので完全なタイトル詐欺。

ロボットインザガーデンという名前のSF小説ご存知だろうか。たまたま用事があって夜遅くに街をフラフラしながら駅に向かっていたとき、気分で入った本屋に平積みされてた本によくわからないがとにかく惹かれ、その場では購入できなかったものの後日改めて購入。前期試験間近だったものの、その日のうちに読みきった。なんというか、久しく感じてなかった本当にハマる本と出会った感じだった。

 

ロボット・イン・ザ・ガーデン (小学館文庫)

ロボット・イン・ザ・ガーデン (小学館文庫)

 

 内容としては簡単に言っていまえば、イギリス版ドラえもん。舞台はSF小説よろしく、ロボットが生活の中に取り込まれた近未来。主人公は仕事にあぶれ、両親の残した遺産を食い潰して生活していて妻との仲が上手くいってない典型的なダメ男のベン。ドラえもんでいうところののび太が少しマシになって大人になった感じをイメージしてくれればいい。そんなベンがある日ひょっこり自宅の庭に現れた壊れかけのポンコツなロボット「タング」と出会ったところから物語が始まる。このタング、最初はさっぱり正体がわからない。ベンはのび太と同じく非常に根が優しいので奥さんからの猛烈な反対を受けつつ保護することにする。ところがどっこい、製造ナンバーも分からなければ型番も分からない。どんな仕組みで動いてるかも正直よく分からないのでいつ完全に壊れるかわかったもんじゃない。そんなタングに夢中になっているとある日、奥さんが出て行く。いわゆる三下り半を叩きつけられた状態だ。そりゃ働きもせず家でポンコツロボットと遊んでれば出て行くわな。そこでベンは一念発起。「お前がどこで誰に作られたか調べに行こう!お前のことを治せる人を探しに行こう!」今の所、適当なテープで固定するという荒療治で動いているタング。機構の中にある液体が尽きたら恐らくは人間でいうところの死が待っているのでなんとかそれだけは防ぎたい。こんな気持ちで始めは近くのロボット製造会社に御問い合わせ。明らかに商品ラインナップに載せられてないロボットなので本社に突撃して直談判。訳のわからない行動力を持っているのもダメ男のテンプレ。ちなみに書いてる僕も勿論持っている。最初は警備と受付にガッツリ警戒されるものの、お偉いさんが非常に優しく聞いてくれ、ここでは分からないからと別の人を紹介してくれる。あとの流れは御察しの通りに、行く先々で別の人を紹介してもらいながら旅をし、果てにはイギリスを飛び出し世界を股にかけたダメ男とポンコツロボの旅が始まる。訪れた国の中には日本も描写されていて、ここの日本の描写が海外作品にありがちな「間違った日本」ではなく、結構正確に書いてあることが取り分けポイントが高い。主人公の相棒であるポンコツロボ「タング」、周囲のロボットはスタイリッシュでSF的な見た目をしているものの、タングはいわゆる小さい子がよく描くような、典型的かつ古典的なロボット。だから旅の先々でかなり浮いてしまう。しかしながらそこはさすが日本。変なもの大好き。行く先々で可愛いと褒められ写真を撮られるという「あ、日本っぽいな」という描写もあり、地下鉄が非常に複雑なのは近未来でも変わりないようで、そんな様な描写もチラホラ。

 SF作品には結構な確率で独立した意志を持ったロボットが出てくる。ドラえもんやウルトロン、ターミネーターのT-800に我らがスターウォーズC-3POやR2、アイ・ロボットのヴィキ、自立型AIの始祖かもしれないHAL9000や更に遡れば原点にはメトロポリスのマリアがいて、小説でいえば星新一の短編集にしばしば出てくる。そしてSF史上に残る自立型ロボット達は如何なる理由であれ、結構な確率で人間に牙を向いてきた。矛盾に耐えきれず暴走したHALがその最たる例だろう。AoUのウルトロンも作られた自分の生きる意味を探し、ブレードランナーレプリカント達は人間に限りなく近づけた結果として、自分らのあらかじめ定められた寿命に怯え反逆し、あの優しさに溢れるベイマックスでさえ、チップを差し替えられたとはいえ暴走しキャラハン教授を殺そうとした。そんな先人達の偉業(?)の中で、このタングは一切の敵意を向けず、主人公ベンとともに友情を育んでいく。ベンがタングに僕たちは友達だよな?と問いかけたことに対しての「うん。タングとベン友達。タング、ベン大好き」という台詞がこの小説の全てだと思う。自分の見聞の狭さも勿論あるが、ここまで優しく、純粋なロボットは見たことは殆どなかった。冒頭でイギリス版ドラえもんといったが、それに尽きる。  乏しい文章力と鼻にかけたような文体で申し訳ないが、是非とも読んでもらいたい一冊。できれば読み終わった後にドラえもんの「さよならドラえもん」を読んでもらいたい。多分割り増しで泣くから。